湾岸急行電鉄 車両図鑑
3000形
1959年登場・1997年退役
イントロダクション
1959年5月20日に誕生した3000形電車は、性能面では初代1000・2000形を
ベースに開発された、新性能車初の20m・4扉通勤型車両である。
高性能化の草分け的存在となった同車であるが、
2代目1000形の投入によって1997年3月29日に惜しまれつつ引退した。
概要
6両編成と4両編成が存在。
新性能通勤電車では初めて、20m車体に片側4扉を採用した。(旧性能車も含めると20m4扉通勤電車は旧国電63系改造のデハ630が初)
主電動機出力は110kWで、当時の新性能車の中では高い部類であった。
台車形式は、湾急の車両としては初めて「TW」という形式を用いた。
1965年からATC取り付け、1975年から冷房化が始められたが、同車は老朽化により1997年3月29日、1000形に置き換えられ形式消滅した。
しかし一部は荷物車(牽引車兼用)のデニや、工事・配給用貨電のデト・デチに改造されているほか、トップナンバーの3101F編成が登場時のツートーンカラーに塗装されたうえで、平塚工場に保管されている。
各形式紹介
クハ3000型(T'c)…下り(小田原・葉山・七沢温泉)方制御付随客車。
クハ3000型(Tc)…上り(新橋)方制御付随客車。
デハ3000型(M')…後述のM車とユニットを組む中間電動客車。MG・コンプレッサーを有する。
デハ3000型(M)…前述のM'車とユニットを組む中間電動客車。下り側に菱形パンタグラフを1基装備。主制御器を有し自車とM'車を総括制御する。
付番法則
千の位で系列を、百の位で下り方向からの連結位置を示す方式をとった。
この3000形の場合、下り側からクハ3100、デハ3200…などのように付番する。
ただし湾急では6両と4両の分割編成の場合が多く、下り側6両を基本編成、
上り側4両を付属編成と考えるため、4連の下り側先頭は3700という数字から始まり、
これに関連し4連の上り側先頭は形式番号処理の都合上「3000」となっている。
この法則は3000形以後すべての通勤型・急行型形式に継承されている。
主要諸元表
軌間 | 1067mm | ||||
電気方式 | 直流1500V・架空電車線方式 | ||||
最高運転速度 | 110km/h | ||||
寸法 | 車体全長19500mm、車体幅2900mm、屋根高さ3650mm、
パンタ折り畳み高さ4120mm、台車中心間距離13800mm | ||||
自重 | (T'c)36.2t、(Tc)36.0t、(M')37.9t、(M)39.2t | ||||
台車形式 | (M)TW-1M、(T)TW-1T
(ボルスタ付き・インダイレクトマウントコイルばね/ペデスタルステー式、軸距2100mm) | ||||
主電動機形式 | MW-59形式(110kW)、直流直巻電動機 | ||||
歯数比 | 1:5.60 | ||||
主回路方式 | 電動カム軸式抵抗制御 | ||||
制動方式 | 電磁直通ブレーキ | ||||
補助電源 | 電動発電機(MG) | ||||
空調装置 | 屋上搭載・冷房11.6kW×4 | ||||
車体構造 | 普通鋼 |
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