インチキ鉄道(ぺけ)ファイル

第2回

ちょっくら、ハマ電で。

〜もし横浜線が国有化されていなかったら〜


横浜電鉄…「ハマ電」と呼ばれている私鉄がある。

かつて横浜鉄道として開通を果たした路線は、大正時代に国鉄に買収される「はず」だった。

もしも横浜線が国有化されていなかったら、そんな世界のお話。

7000系。終戦直後に国鉄から横流しされていた「ロクサン」こと6300系を置き換えるために1964年に登場した新性能車両。

登場時からずっと変わらぬアイボリーとグリーンのツートンカラーが、4両編成で八王子めがけて猛然と走っていった。

「ちょっと八王子のあたりに行ってみようかな」

ハマ電には、町田で接続している小田急のようにデラックスな特急車両はない。

とくに温泉地に向かうわけでもない。ごくごく普通の電車である。

だからこそ乗りたくなる。私は早速ハマ電のホームへ向かった。

7000系の走り去った後の余韻を噛み締めつつ町田駅で電車を待つこと5分。

「まもなく4番線に急行八王子行きが8両で到着いたします」。

やってきたのは1982年に登場した8000系。おそらくハマ電の塗装が変わったのもここからで、

アイボリーを主体にグリーンのラインが2本入っていた。

この電車に揺られていこうか…。

私は迷わず急行電車の最前部にかぶりつき、一路八王子へと向かうのであった。

淵野辺を過ぎたあたりだろうか、本牧ゆきの準急電車が客を満員にして走ってきた。

ハマ電では最新鋭の10000系だ。

最近、首都圏の鉄道車両はかなり規格化されていてどこか「味気ない」という声も聞かれる。

しかしなぜだろう、やはり新型への憧れが私にもあるのだろうか、ちょっとこの車両に乗ってみたくなった。

そんなに急ぐ旅でもなし。次の相模原で降りて次の準急を待つことにした。

念願かなって10000系の準急に乗ることができた。ここからは電車も山間を走るようになり、

一気に沿線には緑一色の風景が広がった。

ふと目をやると、片倉駅のホームには初のVVVF車両9000系が停車していた。

「まもなく、八王子、八王子です。JR線、西武線はお乗換えです」

終着駅到着を告げる自動放送が流れた。電車は地下へと進んでいく…。

こうして私を乗せた10000系準急は、八王子に到着した。

隣のホームには拝島方面に向かう西武の、黄色い電車が止まっていた。

「まもなく2番線から、寄居行きが発車いたします…」

帰りがけに相鉄茅ヶ崎線の電車を撮影しようと橋本駅を訪れた時、

ふと側線に目をやると、スマートな電気機関車ED5000が佇んでいた。

今ではめっきり少なくなったといわれる私鉄の貨物列車だが、

まるでそんな現実を感じさせないほどの列車本数がある。

「ピィーッ!」警笛が鳴り、轟音を立ててゆっくりと機関車は動き出した…。


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