甲武電鉄700系旧性能電車

甲武の「運輸省規格型」

1948年から1952年にかけて、戦災による車両不足を補うため大量に導入された。

所謂「運輸省規格型」と呼ばれる完全新造車両であり、吊り掛け車としては強力な110kWモータを搭載、

同じ規格型である東急デハ3700はそのパワーを持て余し気味であったが、こちらは山岳路線ということもあって性能をフルに生かしていたという。

しかし導入当初は一部の部材などが省略されていたこともあり、ハッキリ言って惨めな姿だったそうで、

入線から僅か2年で更新工事が行なわれ、窓の大きいお馴染みのスタイルとなった。

その後コイルばね台車を採用して乗り心地の向上を図ったモハ720・クハ770型や、

張り上げ屋根・全金属車体のモハ730･クハ780型が登場し、戦後の甲武を代表する電車となっていったことは間違いない。

まぁもっとも、1980年代に入ると17･18m車両は輸送力不足でどんどん邪魔者扱いされていって、

比較的長く生き延びたとはいえ大型化の波にはついてこれなかったみたい。

結局1981年には全車両が引退している。いやぁ、それにしても700系はよく頑張った。

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