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コラボレーション企画
甲州・津久井鉄旅日記
登場キャラクター
これから登場するキャラクターは、狐憑きさんのサイト「机の上のトラベラー」よりお借りしております。
キャラクターを使用することをご快諾してくださった狐憑きさんには、この場を借りましてお礼申し上げます。
ガチャ子 | 東京都内在住の女子高生。鉄道をこよなく愛しており、なんと自分の通っている学校に鉄道研究部を創設してしまった。 活発でいつもガチャガチャしていることからガチャ子と呼ばれている。断っておくが某西武系列の電車とは関係が無い。 実は旅の楽しみは食べることらしく、見ているこちらが苦しくなるぐらい食べるという。本人は否定しているようだが…。 最近は旧型の吊り掛け電車にハマっているらしい…。 |
パンタグラフ | ガチャ子の飼っているネコ。なぜか人間の言葉を理解する。「血統書つきアビシニアン」と本人(?)は名乗っているが、ガチャ子曰く 「絶対雑種だと思う」とのこと。雪の降りしきる夜、上野駅構内で弱っているところをガチャ子に拾われて以来一緒に旅をしている。 代々、上野駅構内をねぐらにしていた関係で国鉄型車輌にとてもうるさい。趣味は構内配線の研究と貨物の入換えを眺める事だが、 自分が想像したのと全然違う方法で入れ替えが行なわれると頭がショートするらしい。 |
時は2007年3月某日。ガチャ子達の小さな旅が始まった。
今回の出発地は渋谷駅。はてさて、今回の旅のテーマは?
甲武線の車中で早速サンドイッチをほおばるガチャ子であった。
「まったく何やってるんだよ、朝っぱらからこんないっぱいサンドイッチ食べちゃって!」
「え?」
「え?じゃなくって、今回のメインは津久井線でしょ!」
「いやでも、昔っから言うじゃない。腹が減っては戦はできぬって…」
(食べるだけ食べといてよく言うよ…いつか絶対太るぞ〜)
「…今、何か言った?」
「何にも言ってませ〜ん」
大丈夫か、道中。
(京王線・相模湖特急 8000系)
「さてここからは京王線に乗って調布に戻りまーす!」
「え…?わざわざ府中から戻るの!?だったら三鷹中央で降りて調布線に乗り換えればよかったんじゃ…」
「だって1秒でも長くボックスシートに揺られてたかったんだもん。サンドイッチ食べる時間もほしいし」
「サンドイッチのためだけに!?」
「まぁいいじゃない、細かいこと気にしない。さ、京王線のりばはすぐそこだぁ!」
(サンドイッチのためだけに……)
「…で、調布から先は『相模湖特急』に乗るわけだね?」
「それもそうだけど…ジャーン!調布名物みやこ焼き!腹ごしらえしなくっちゃ!」
(まだ食うの……?)
「で、みやこ焼きを食べたら936発の相模湖特急で橋本1001着。横浜線乗り換えで相原1011着。
駅前のコンビニでパンを食べたら津久井線に揺られて三ヶ木(みかげ)1043着、ここでせき麺を食べて…」
(はぁ……)
「再び津久井線で秋山温泉1245着、釜めしを食べたら特快で富士吉田まで行って肉うどんを食べて、
甲武電鉄で谷村町へ。そこから道志電鉄に乗って…」
「…ガチャ子?」
「はい?」
「…そりゃ食べすぎだと思う…って、道志電鉄?」
「いやぁ、軽便鉄道って小さいし可愛いじゃない♪」
(嘘だ!絶対クレソン煎餅が目当てだ!!)
(津久井線・快速 201系)
JR津久井線は、もともとは多摩南部と津久井を結ぶ「南津電気鉄道」として開通したもので、
戦時中に津久井から先の「秋山鉄道」とともに国鉄に買収された路線。
国分寺〜三ヶ木間の車輌は中央・青梅線と共通運用であり、1981年から201系も使われるようになった。
以来しばらくは201系の天下に思われたが、E233系の投入が進めば201系は追い出されることとなる。
なお三ヶ木〜秋山温泉〜富士吉田間は、「スカ色」の115系が使用されている。
「くぅーッ!やっぱり201系にはオレンジ色が似合うなァー!!」
「そ、そうなの?」
「そりゃ201系が一番最初に入ったのは中央線だから、201系といえばまずオレンジでしょ」
「あぁ、言われてみればそうね。中央線仕様のカッコいいことといったらこのヘッドマークが…あれ?」
「?」
「なんか張り紙がある…どれどれ?『新型車両(E233系)導入のお知らせ』…あぁ、とうとうここにも入るのね…」
「うーん、201系は国鉄形にしては斬新で好きだったんだけどなぁ…」
「まぁ元気だしなよ。まだ津久井線には115系もいるじゃない」
「そだね…」
ガチャ子達が乗ったのは三ヶ木折り返しの201系快速。
4ドア通勤電車は「城山特快」を除いてすべて三ヶ木どまりだ。
津久井線(国分寺〜三ヶ木間)の駅名は以下のとおり
国分寺-府中本町-武蔵住吉-武蔵一宮-多摩大塚-武蔵堀之内-武蔵柚木-鑓水-相原-相模町屋-城山-津久井-三ヶ木
(津久井線・普通 115系)
さてさて、ガチャ子達を乗せた列車は各駅停車で秋山温泉へ…。
「ここからが津久井線の面白いところでね、三ヶ木までは複線の通勤路線だったのがそこから先が単線の観光路線になっちゃうんだ。
ちょうど近くにある青梅線とかに似た雰囲気だね」
「山岳路線だけに115系の本領発揮ってトコね…」
「で、そばを流れている秋山川は山梨県でも屈指の大絶景なんだよっ!」
「あ……『ワカサギ釣り』……」
「ガチャ子ー!よだれ、よだれ!!」
「えぇーまもなく、寸沢嵐(すわらし)〜、寸沢嵐です。京王相模湖線お乗換えです」
「で、ここがちょっと紛らわしいところで、寸沢嵐を出るとこの電車は秋山方面に行っちゃうから、
相模湖方面に行くには京王線に乗り換えないといけないの。次の駅が『南相模湖』だからなおさらだよねぇ」
「うん、全くもってそのとおり」
「おぉっ!ガチャ子が珍しく僕の話に…」
「寸沢嵐につく頃にこんな勉強になる話を持ってくるなんて…パンタグラフ、あんたすわらしい(素晴らしい)よ!」
「さ、寒っ!てかそれが言いたかっただけ…!?」
津久井線(三ヶ木〜富士吉田間)の停車駅は以下のとおり
三ヶ木-寸沢嵐(すわらし)-南相模湖-相模牧野-秋山温泉-甲斐秋山-西秋山-甲斐朝日-盛里-東都留-都留田原-甲斐宮下-甲斐倉見-明見(あすみ)-富士吉田
さて一行は津久井線の終点の富士吉田に到着。
そこから甲武電鉄に乗って谷村町へ。谷村町で甲武電鉄の車輌を大量に撮影、その後軽便鉄道の道志電鉄に乗車。
「いやぁ、同じ駅の構内にフツーの電車と軽便鉄道が同居してるって一昔前の近鉄四日一みたいだねぇ」
「一昔前の?近鉄は良く判らないなぁ…」
「あのね、近鉄四日市から内部・八王子線ってのが出てるんだけど、その路線が軽便鉄道(軌間762mm)なの。
ちょっと前までは名古屋線・湯ノ山線(軌間1435mm)と一緒に並んでたんだけど、
本線が高架になってからは並びが見られなくなっちゃったんだって」
「あぁ、なるほど…どうも私鉄はさっぱりで…」
(道志電鉄・普通 1000系)
そんなこんなで一行が乗ったのは道志電鉄の普通電車。
都留市街を抜けると渓流に沿ってスイッチバックを繰り返し、道坂峠を登った後道志村に入り、渓流沿いに下っていく。
およそ40分ほどかけて、一行は道志駅に到着した。
「着いたーっ!道志駅!」
「あ…小さいけど結構まとまりがいい構内配線だね」
「この道志駅の見どころはなんと、小さくて可愛い軽便電車たちの車庫が隣接しているとこ!…なんだけど…」
「だけど?」
「まずは腹ごしらえ!」
そう言ってガチャ子が向かったのは道志駅の売店。
「すみませーん、クレソン煎餅と…」
(まぁ次にくるのはクレソンまんじゅうだろうな…)
「クレソンまんじゅうとほうとう下さい!」
「なっ!?…ちょっとちょっと!また麺なの!?富士吉田で飽きるほど肉うどん食べてたじゃん!!」
「どういうわけか麺ってスルスルと入っちゃうのよねぇ〜」
「……盛岡のわんこそば大会で優勝できるよ、アンタ…」
さてさて帰りの道志電鉄・快速の車内にて。
「ふぃ〜、今日もいっぱい列車に乗れたぁ〜」
「……『いっぱい食べれた』の間違いじゃなくて?」
「なっ!?」
「乗るよりもむしろ食べる方に集中してる気がするんだよ。そのうち本当に太っても…」
すると突然ガチャ子はおもむろに窓を開けた!
「……いっぺん道志川に流されてみる?」
「ギャー!ごめんなさい許して!落ちる!落ちる!!」
「ん。わかればよろしい」
…今度から間違っても『太る』って言わないコトにしよう、と思うパンタグラフであった。
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