インチキ鉄道(ぺけ)ファイル

第5回

武蔵野の電機をたずねて

〜スペーシアと私鉄最大の電機〜


ある夏の日急に高麗川に行こうと思いついた

高麗川と言えば東武から西武への貨物の受け渡しが名物で、

そのために東武からも西武からも機関車が訪れては入れ替えを頻繁に行なっていたという。

…今では私鉄の貨物列車の本数は少なくなってはいるが、

東武は新型電機を投入、大幅なスピードアップを行なってトラック輸送に対抗。

一方西武ではご自慢のE851が鉱石輸送列車や燃料輸送列車の先頭で力強く爆走していた。

さっそく、自宅から近い駅、東武の一大ターミナルである浅草に到着した。

浅草と言えば日光、鬼怒川、赤城、会津、つくば、成田方面など様々なルートが乗り入れている場所なのだが、

今回のお目当ては高麗川。川越までの特急券を握り締め早速「こうづけ505号」に乗り込んだ。

「こうづけ」は春日部までは「けごん」「きぬ」と同じ停車駅で伊勢崎線を進むが、

春日部からは川越線に、さらに川越からは東上線に乗り入れて寄居へと向かうロングラン特急だ。

寄居が観光地である秩父に近いからなのだろうか、「こうづけ」にはおもに100系「スペーシア」が充当される。

当初スペーシアは11編成だったのだが、利用客からは思いの他好評で、

急遽1993年に3編成が急造されたと言う逸話もあるほどの人気振りである。

発車メロディーがなり、スペーシアは川越に向けて静かに走り出した…。

「…お知らせいたします。あと5分ほどで川越に到着いたします…」

スペーシアならではの自動放送が流れる。川越は東上線からも優等列車が乗り入れ、

東武線・東上線両系統の乗り換え客でにぎわうターミナル駅だ。

川越には西武が本川越駅を持っており、東武・西武ともに激しい旅客争奪戦を繰り広げている。

…川越駅のホームに目をやると、寄居方向から青い特急電車が走ってきた。

150系。100系の東上線バージョンであり、おもに特急「とうじょう」として使われる車両だ。

カラーリングを除けば性能面、車内設備等は100系に準じており、

その車体色から「スペーシアブルー」と呼ばれている。

ほとんど同じ車体なのに色が違うだけで印象も違って見えるのだから不思議だ。

川越の側線には、いつものように黒い色のタンク車が並んでいた。

ちょうど1ヶ月ほど前にも同じ光景に出くわしたのだが、その先頭に立っているのがED5060か、

それともED5080かと思いその列車の先頭部分にたってみて驚いた記憶がある。

そう、そこにいたのは見慣れた茶色の電機ではなくスペーシアと全く同じカラーリングのF級電機だった。

EF6000。出力3900kW、VVVFインバータ制御で、

パワーは西武E851をも上回る私鉄最大、最強の電気機関車である。

この電機の迫力を噛み締めつつ、次の8000系普通高麗川行きを待った。

高麗川では予想通り西武ご自慢のE851が佇んでいた。

単機でも迫力があるこの巨体だが、東武のEF6000と並ぶとさらに迫力が増してくる。

ちょうどセメント輸送列車の受け渡しを行なっているようで、このあとE851はしばし休憩のため留置線へと向かった。

響くブロアの音、重く軋む金属の音、まるで生きている様なブレーキの息づかい…。

機関車にはそんな魅力がある。改めて、高麗川に来てよかったと思った。

 

…EF6000の警笛が鳴った。そろそろ出発時刻だ。さて、私も昼食にしようか…。


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