インチキ鉄道(ぺけ)ファイル

第4回

嗚呼、通勤客車52系

〜『中途半端』だった悲運の客車〜


1982年、その客車は突如として姿をあらわした。

それまで普通列車用の客車は非冷房が当たり前だったが、

いつしか、鉄道車両には冷房装置がついていて当たり前の時代へと進んでいくことになる。

この動きにあわせ当初より冷房装置を搭載し、また地方線区でのラッシュ時の乗降をスムーズにするため、

国鉄では最初で最後となる(であろう)3扉の客車が投入された。

その名は52系、オハ52型とオハフ52型の2形式で構成され、

50系などの一般客車との併結も可能であった。

20m両開き3ドア。一見電車とも見紛う「レッドトレイン」の姿がそこにはあった。

あるときは北陸で、あるときは九州で、またあるときは東北で普通列車として活躍した。

しかしながら、客車鈍行淘汰の動きによってわずか35両が製造されたに留まり、

さらに1987年の国鉄民営化を契機に活躍の場は一気に狭まっていった。

 

製造から僅か数年で客車鈍行は廃止され、52系もその運命をともにすることとなった。

まさに、短命に終わった悲運の客車とはこのことであろう。

最後の活躍の場は磐越西線だった。

しかし52系の中にはしぶとく生き延びた仲間もいる。

JR東海がJR東日本から余剰となった52系を購入、115系の中間電動車と組み合わせるための制御客車として改造したのである。

イラストのクハ115型7900番台がそれで、119系によく似た前頭部を取り付けている。

しかし、元が元だけにサイドが垂直に切り立っておりどこかチグハグな編成となって石まうのは否めないといったところか。

現在は新鋭313系の投入により115系が廃車される動きが出ているが、

このクハ115型7900番台については165系の余剰部品を使い電装した上で「109系」として就役させるとのことで、

当面は52系の生き残りを目にすることが出来そうである。


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