兎潟県・土井中市…その中心街、土井中温泉駅前通り。

この駅前通りから北へ延びるこしあん通りとの交差点の近く…

土井中電鉄の線路沿いにその店はあった。

その名も、『カレーの店STEP』。

 

たいして大きくはない店だが、

地元で取れた野菜などを使った自家製カレーが売りの名店なのである。

もっとも、初心者にとっては死ぬほど辛いらしいのだが。

 

そんなSTEPである日…。

「ふぅ〜、よく寝た…」

店の奥にある小さな寝室から出てきたのは、

大体背丈160センチぐらいの女の子である。

青い髪に青い瞳の女の子…

だが、よく見ると腕や腹などには継ぎ目があるし、

足なども金属製であることが見てとれる。

そう…彼女こそ、ヒューマノイドロボット『HT-723RS・ナツミ』である。

どうやらSTEPはナツミ一人で切り盛りしているようだ。

そんなナツミがある日、食料庫に向かった時である…。

 

ナツミ「あ〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!!」

 

かっ飛び!ピョン丸くん

〜第8話:カレー屋を救え!ドタバタ捕り物帖(前編)〜

 

一方その頃、高円寺家。

カズミ「じゃーん!巷で噂のゲーム『魔女と謎の住職』買ってきたよ〜!」

スグル「ホントか!?よっしゃ、早速プレイしようぜ!」

ピョン丸「それってどんなゲームなンダ?」

カズミ「これはね、とある国に住んでいる魔女が、謎の住職によっておしとされて混乱に陥った世界を救うというRPGなの」

スグル「住職一人の力で世界を混乱させるってのも変だけどな〜」

どうやら新作ゲームを手に入れてご満悦のご様子。

と、玄関先でベルが鳴った…。

 

スグル「お、客か?…悪いピョン丸、ちょっと見てきてくれー!」

ピョン丸「オウッ!」

ピョン丸が玄関に向かった、その直後である。

 

ナツミ「たっ…たっ…大変だぁぁぁっ!!」

ピョン丸「ぶべッ!?」

ピョン丸、また玄関先で想定外のダメージ。

 

スグル「あっ、ナツミさんじゃないか。一体そんなに慌ててどうしたんだよ?」

ナツミ「じ、実はね…食料庫から野菜がなくなっちゃったのよぉ!」

ピョン丸「そ……その前に……どけて欲シイ…そのドアを……」

ピョン丸、ひょっとして不運の持ち主か!?

 

ナツミ「…というわけなの。なんとか今日1日分は残ってるんだけど…これじゃぁ商売あがったりだよ…」

スグル「しかし、あんだけの野菜が突然消えるなんて考えにくいぞ。何か裏で手を引いてる奴がいるかもしれんし」

カズミ「でも手がかりがないんじゃねぇ…」

一同「う〜〜〜〜む…」

考え込む3人。

とにもかくにも、このままではSTEPがピンチであることに間違いはなかった。

ちなみにピョン丸は、まだドアに挟まれたままだった…。

 

スグル「ところでアレは…助けてやらないのか?」

ナツミ「あ…」

 

スグル「まぁとりあえず先ずは野菜を買ってこないとな。この状況でまた盗まれでもしたらそれこそSTEPのピンチだ」

カズミ「まぁ今日は定休日だったのが不幸中の幸いだったわけだけども…この状況だとねぇ…」

ピョン丸「でも買ってきてもまた盗まれちゃったら終わりだヨナ…」

スグル「んじゃぁ倉庫に監視カメラでも仕掛けるか…そうすりゃ手がかりも掴めるだろ」

ピョン丸「おぉ、いいアイデアダゼーッ!」

ナツミ「みんな…」

今回のメカ図鑑「スカイポッド」

空中に浮かぶことにより地形を気にせず移動できる夢のような乗り物。

免許さえ持っていればロボットだろうが誰だろうが気軽に操縦できる。

これはナツミ専用のスカイポッドで、操縦席とエンジンのある前部ユニット、荷物や人を乗せる中間ユニット、

方向舵の役割をもつ後部ユニットで構成される。

通常は前部ユニット+中間1ユニット+後部ユニットで運用。

 

スグル「よし、そうと決まれば設置工事だな…ナツミさんは安心して野菜を仕入れてきてくれ」

ナツミ「うん…ゴメンね、なんか色々と」

スグル「困った時はお互い様だって。な、ピョン丸!」

ピョン丸「オウ!」

こうしてSTEPの食料庫に監視カメラが設置されたのだった。

 

3日後。

ナツミ「…あ〜ぁ、よく寝たっと。さぁて、そろそろ仕込みに入るか…」

ちょい寝ぼけ眼のナツミが食料庫へ向かったその時…

 

ナツミ「あぁっ!ま、またなくなってる!?」

ただならぬ事態だった。

早速スグルたちを呼び寄せ、監視カメラの映像をチェックすることにした。

 

スグル「食料庫の映像だ…犯人の手がかりが見つかればいいんだがな…」

ナツミ「まったく、ウチに何の恨みがあるんだか知らないけどさ…」

ピョン丸「?」

ナツミ「犯人め…いざとなったらこのバールでガツンと……!

スグル(出たぁ!戦闘モード!!)

 

ピョン丸「と、とりあえず今はそれしまおうナ…」

ナツミ「あ…」

そう、ナツミは不測の事態に備えバールを携帯しているのだ。

いやぁ、なんとも恐ろしい限りである。

 

とか漫才を繰り広げつつ監視カメラの映像を見ていたその時だった。

ピョン丸「……オイ!今なんか映ってなかっタカ!!?」

スグル「何か…何かって何だ?」

ナツミ「振り向かない〜事さっ!」

スグル「愛ってな〜んだ…ってオイッ!!」

ナツミ「いや、ボケるとこはボケとくべきかなと…」

スグル「で、その何かって?」

ピョン丸「ちょっと待ってロ、今サーチを…」

 

ピョン丸は問題の部分の映像をサーチした。

ピョン丸「ここダゼ」

スグル・ナツミ「………」

息を呑む瞬間であった。

なにしろ野菜を奪った犯人の手がかりがおさめられた映像なのだから、

見逃すわけにはいかなかった。一気に空気が張り詰める…。

と、その時!カメラは驚愕の決定的瞬間を捕らえていた!!

スグル・ナツミ「あぁーっ!こ、これは一体――――――!!?」

 

消えた野菜!驚愕の犯人!はたしてSTEPの運命は!?

そして犯人との闘いの中いよいよピョン丸がピンチに!?

どうするピョン丸!どうなるピョン丸!?

兎にも角にも待て!後編!!


はい、というわけで第8話も無事完結しました。

「また次回に引きずる展開ですか…」と言われそうですが、まぁ大目に見てやってください。

 

あぁ…出しちゃいましたね、ナツミさん。

アレの元ネタはまぁなんというか…その…。

まぁ第7話のトラもそうなんですが…。

 

うわぁぁぁ!!

なんか色々ゴメンナサイ!!!

 

まぁなんだ、ネタはネタとして楽しんでもらえれば宜しいかと。

ではでは。

 

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