湾岸急行電鉄 車両図鑑


鎌倉軌道線電車

湾急が路面電車としてスタートしたことを伝える生き証人


イントロダクション

湾急の歴史は1911年8月4日の大船電気軌道と呼ばれた小さな軌道線に始まる。

国鉄大船駅から鎌倉・磯子方面に徐々に路線を広げていったが、

いつしかその路線のほとんどが地方鉄道へと変貌し、

軌道…つまり路面電車のままで残ったのは鎌倉線だけであった。

そんな鎌倉線を走ってきた仲間たちをご紹介しよう。

 


デハ50型

軌道線において戦後初の新造車両で、

1947年3月5日から1950年5月15日にかけて18両(51〜68)が製造され、

それまで活躍していた木造単車を一掃した。

終戦直後の設計のため、窓枠が木製となっていた。

のちに改造により密着連結器が取り付けられている。1980年引退。

 

デハ70型

前中扉が印象的な車両で、1956年9月12日に誕生。

正面2枚窓・ノーシルノーヘッダーの美しい車体はファンの間で人気が高く、

製造当初よりパンタグラフを搭載していた。

また前頭部に密着連結器を装備するが、

これは故障時などにおいて他の電車に牽引させる目的と、

ラッシュ時の2両連結運転を行なう目的によるもので、

以後の車両にも継承された。1983年引退。

 

デハ90型(A-B)

1966年9月9日製造の連接車。

当時の鎌倉地区は宅地化が進み、

増加する市街地の輸送需要に応じるべく2車体連接の車両となった。

1976年のワンマン化・ホーム嵩上げの際にステップが撤去され、

さらに1982年には冷房化がなされているが、

デハ100・200型の登場で追い詰められ、

現在はデハ95A-Bがイベント用として残るのみである。

 

デハ100型(A-B)

1979年5月9日製造の連接車。

軌道線初の冷房車両で、登場時はツートンカラーだったが、

1988年に鉄道線車両と同じ「湾急カラー」となった。

1976年時点でホームが嵩上げされているためステップはない。

初のカルダン駆動車でもあり、大きな窓の明るい車内、

静かな走行音も好評で、冷房車は温かく迎え入れられた。

 

デハ200型(A-B)

1996年8月15日製造。軌道線初のVVVFインバータ車両で、

シングルアームパンタグラフを装備している。

側扉は近年の路面電車に良く見られるタイプのスイング式プラグドアで、

スカートの形状も含めよりスタイリッシュに纏め上げられている。


主要諸元表

 

デハ50

デハ70

デハ90A-B

デハ100A-B

デハ200A-B

軌間

1067mm

電気方式

直流600V・架空電車線方式

寸法 車体長13000mm、車体幅2300mm、屋根高さ3350mm、

台車間距離6600mm、パンタ折り畳み高さ3810mm(※)

車体全長19500mm(2車体連接・1車体9500mm)、車体幅2350mm、屋根高さ3360mm、

台車間距離6600mm、パンタ折り畳み高さ3810mm

自重 19.5t 19.8t 25.3t 26.8t 26.4t
台車形式

D-18

(板ばね/ペデスタルステー式)

D-20A

(ボルスタ付き/ペデスタルステー式)

(M)SW-100M、(T)SW-100T

(ボルスタ付き/シェブロン式)

主電動機形式

SS-50(52kW)、

直流直巻電動機

NE-60C(60kW)、直流直巻電動機

MW-100S(60kW)、

直流複巻電動機

MW-200S(60kW)、

三相交流かご型誘導電動機

歯数比

1:3.75

1:5.63

1:6.07

主回路方式

電動カム軸制御

界磁チョッパ制御

VVVFインバータ制御(IGBT)

制動方式

自動空気・直通式

電気指令・電磁直通式(電力回生および発電併用)

補助電源

電動発電機(MG)

静止形インバータ(42kVA)

空調装置

非冷房

各車体1基屋上搭載・冷房16.5kW

車体構造

普通鋼(ST)

アルミ(Al)

※デハ50はビューゲル集電。


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